昨日取りあげた「表現者クライテリオン」7月号巻頭コラム「鳥兜」の
「このヒステリックな魔女狩りを先導しているのは、『国際法』を笠に着て平和の守護者を自認する、一部の国際政治学者たちである」
という文章ですが、この続きには
「無意味な『どっちもどっち論』叩きに精を出す暇があるなら、たまには『国際法』で割り切れない情念や道徳にも関心を持ったらどうか」
という記述があり、それがコラム全体の結論となっています。
はて…
この、やたら偉そうに、上から目線で国際法を小馬鹿にする態度、どっかで見たことがありましたねえ…
そう! 本シリーズ第3回で指摘した、動画内での藤井聡氏の発言です!!
第3回 道路交通法と国際法の区別がつかない藤井聡!
国際法と道路交通法の区別もつかず、「国際法を守れ」という主張が「赤信号無視したからアカンやないかー!と言ってるだけ」に等しいなどと言って無知を丸出しにした、アレです!!
藤井氏の知識や感覚と、鳥兜著者のそれとは、奇妙なことに、全く同じです!
まるで同一人物のように!
まあ、藤井氏が別人だと言ってるんだから別人なんでしょうが。
改めて繰り返しますが、道路交通法と国際法は全く違います。
道路交通法なら、車が通ってなければ赤信号で横断歩道を渡ってもいいし、安全だと思えれば制限速度をオーバーして車を運転してもかまわないということにもなるでしょう。
それでも道交法は違反を取り締まる人がいるから、違反が見つかれば捕まって罰せられます。
どう見たって安全なのに「ネズミ捕り」に引っかかって罰せられたりもするから、「法が全てじゃない!」だの「法に書かれない情とか道徳ってもんだってあるだろうが!」とも言いたくもなるでしょう。
しかし、国際法には違反を取り締まる者が存在しません。
ただ人類の歴史と道徳の集積の上に、各国がこれくらいは守って国際秩序を維持していこうと合意して、辛うじて成り立っているものであり、これを各国が「しょうもない」と言ってしまったら、そこで国際法による世界の秩序は崩壊してしまうのです。
国内法なら、一般論として「法で割り切れない情念や道徳がある」とか「法で裁けぬ悪もいる」とか言えますが、国際法はそれとは全く概念が違います。
国際法は、各国がそれを人類の歴史と道徳の結晶として尊重し、育てていかなければならないものなのです。
もう一度、初歩の初歩から言ってみました。
わかりましたか藤井さん、じゃなくて、匿名の鳥兜筆者さん?
【ロシベタクライテリオン論破祭り】
第1回 ウソついて逃げるクライテリオン藤井聡!
第2回 ロシアのプロパガンダを「多面的な解釈」と強弁する藤井聡!
第3回 道路交通法と国際法の区別がつかない藤井聡!
第4回 藤井聡の言う「多面的解釈の外交」とは何か?
第5回 NATOの東方拡大はアメリカの「裏切り」か!?
第6回 確かにアメリカは悪い! けど…?
第7回 ロシア経済崩壊の「主犯」は誰か?
番外編 藤井氏動画コメントに見る、クライテリオン読者・支持者の「程度」
第8回 藤井聡が依拠する、伊藤貫の「国際情勢認識」の正体
第10回 藤井聡氏に小学校の国語のテスト。
第11回 クライテリオンは朝日と産経の「悪いとこ取り」
第12回 ブチャ虐殺を「フェイク」だと思っていた藤井聡
第13回 「魔女狩り」という言論封じワード